2005年7月号
イベント・レポート
知的・産業クラスターin 京都 開催報告
-離陸を目指す日本版シリコンバレー-

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会議の模様

平成17年6月15日(水)、キャンパスプラザ京都で標記セミナーが、文部科学省、経済産業省、日本経済新聞社の主催で開催された。本セミナーは今回を皮切りに、この後福岡、仙台で開催され、11月末に東京で最終回が開催される予定である。京都府は府内に40の大学、短期大学を擁し、知的集積のレイヤーが厚く、また、地場産業に根ざした産業界のレイヤーも厚く、本セミナーの第1回目の開催地としてふさわしい土地である。来賓の京都知事の挨拶で述べられた以下の約束もそれをうかがわせるものであった。

1) 京都には産学連携を進捗させ、地域経済活性化にまい進する企業が数多い。今後、第2、第3の京セラを生み出したい。
2) 多くの企業が技術を競えるような仕組みを作りたい。
3) 全国のクラスターと一味違うクラスターを作りたい。伝統的な感性をクラスターにかぶせたい。

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パネルディスカッション

セミナーの構成は、松島克守東京大学総合研究機構、俯瞰工学部門教授の講演、菅野由一日経産業消費研究所調査研究部・地域グループ研究主管の事例報告、それに、パネルディスカッション『クラスター離陸に向けた条件』であった。

松島教授の講演は『クラスター形成のための必要条件』という題目で、クラスターの大きな特徴はイノベーションを継続的に起こす力を入れ込むことにある。また、地域の知恵を生かさないと地域クラスターは成功しない、など、地域クラスターについてこれまでに議論されてきた事柄も含めた俯瞰した話であった。

菅野氏の事例報告は、北海道スーパー・クラスター振興戦略、首都圏西部地域(TAMA)活性化プロジェクト、近畿バイオ関連産業プロジェクトなどの紹介であった。

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総括:堀場雅夫氏

パネルディスカッションでは、会場から多くの質問、コメントが出され、「文系の産学連携の例は?」「知的クラスター事業では、地域の中小企業がメインとなって地域単位で事業が起こされる。クラスターをスタートさせるには?」「地域全体をデザインするビジネスモデルがクラスターなのではないか」など、フロアとパネリストとの間のやり取りが見られた。「クラスターはすでに全国各地で存在しており、今後は、クラスターが大いに成果をあげることが期待される」として、パネルディスカッションは終了した。

最後に、株式会社堀場製作所の会長である堀場雅夫氏が総括した。「産・学はイコールパートナーであり互いがwin/win になること、また、互いに大いに飛び込みあうことが大切である。シーズ・ニーズはあらゆる所に存在する。これをうまくビジネスチャンスにもっていく。これが産学連携である。また、地域が主導権を持たなければ日本の将来は造れない。地方の歴史と風土には必ず知がある。この知をどうマーケットに結びつけるかが課題である。地域内の連携と、当事者間の互いの切磋琢磨、この両者を組み合わせることで、地域クラスターがうまくいくであろう」という総括は印象的であった。

(本誌編集部 次長 加藤多恵子)