2006年8月号
編集後記

人の顔がそれぞれ違うように大学発ベンチャーも違った顔を持っています。スタートアップからIPO間近のベンチャーまでさまざまな角度から彼らの真実に迫ってみたいと考えています。その意味では全国に1,500以上の顔があるのでしょうか。いや、1,500社にも紆余(うよ)曲折があり、800、または600の顔があるのかもしれません。ところで、お隣の中国では最近大学発ベンチャー(校弁企業)の数が5,000社で頭打ちの状態にあります。もっとも別の見方をすれば、そもそも数を増やす事に意義を感じていない、との情報もあり、最近は集計もしていないとの噂もあります。今や、北京中関村では日本企業を含む世界のトップ企業を、さまざまな優遇政策で誘致しながら、自国のベンチャーを育成している「ロビンフッド戦略」がとられています。そのしたたかさには舌を巻きます。今や、シリコンバレーに学ぶのではなく中関村に学ぶべし!

(平尾委員)

本ジャーナルの編集委員を拝命して早くも3カ月が経過した。昨年度までは、文部科学省の産学官連携支援事業(平成18年度からは産学官連携高度化促進事業)の産学官連携コーディネーターとして3年余りを経験してきたことから、国内の現場活動の実態をご紹介する種には事欠かない。ただし、本ジャーナルの品格を傷つけてはならないし、せっかくの機会をいただいたことから、顧客満足度の高い編集に貢献できるようにと自らを戒めている次第である。平成18年度に、政府は第3期科学技術基本計画を発表、直ちにその推進を開始したところであるが、現場から見た場合、そのポイントはイノベーションの創出・推進に基づく成果の顕在化に尽きると思われる。これを実現するためには、あらゆる現場での変革が必要で、そのヒントとなる記事を今後は企画提案していきたい。

(藤井委員)

本号の特集記事として出口(マーケット)志向の産学連携という角度から、地域の動向として東北地方に焦点を当てています。公共投資に依存する経済構造からいかにして脱却するか、地域経済の活性化を目指して、産学連携の熱は高いのです。ハイテク分野にベンチャーファンドを行う機関への取材、事業化支援に関する座談会などでは、当地域だけの問題ではなく普遍的に共通する内容が多々あります。

早くも8月号になりました。今年も3分の2が経過してしまいました。また、世の中の動きは速く、状況変化への迅速な対応が求められるこのごろです。充実の秋を目前に、特徴ある特集記事、巻頭記事の企画を追求していきます。

(加藤編集長)