2007年8月号
編集後記

6月16日(土)、17日(日)に国立京都国際会館で開かれた第6回産学官連携推進会議は約3,000人が参加して盛大でしたが、今回はメインの行事は土曜日の1日と、実質的にはコンパクトな会議になってきています。少し気掛かりなことは、回を重ねるごとに企業関係者の参加が減っていることです。第1回、2回あたりは、大企業の動員もかかっていたようですが、企業関係者がかなり参加していました。第1回の参加者は約5,000人で熱気がありました。全体会議、分科会といった会議だけでなく、企業の人には展示会場で大学等の成果を見てもらって、産学の連携に繋げたいところですが、今回は肝心の魚がいない状況となっていました。企業の関係者に魅力ある会議になるように、今後、産学官で知恵を出す必要があると痛切に感じました。

(阿部委員)

「科学技術は“誰”のものか?」-本年の集中講義で修士課程(理系)の学生に対する私の最初の質問である。「科学者のため」と答える学生は意外に少なかったが、一方で、「国のため」と自信をもって答える学生は、意外に多く、「科学技術による国の競争力強化」というキャンペーンは、思いのほか、若者には浸透しているらしい。ところが「国とは何か?」「競争力とは何か?」と質問をすると、とたんに回答もまちまちになる。「先頭集団」にいる人がどれだけ前に走れるかは、確かに「競争力」の一つだが、できるだけ多くの人がスタートラインに立てゲームに参加できるようになる……これも「競争力」の「前提」であろう。光の当たっていない地方大学に埋もれる「弱者のための科学技術」を発掘すると“潜在市場”は意外に大きいように思える。

(松澤委員)

理工系離れがどうにもとまらない。S・O・Sだ。産学官連携推進会議で「人材論議は5年前と同じ」との意見が出たが、時の過ぎゆくままに放置できない。専門力一辺倒は時代おくれ。同時に教養教育だという。高校2年から文系・理系に分ける受験対策が視野を狭くしているとの指摘も。勉学に励むべきだが、時には、独り旅に出た北の宿から「嫁に来ないか」と恋人に手紙を出すのもいい。街の灯りの下でまた逢う日までの別離も経験だ。青春時代を謳歌すれば、人に「勝手にしやがれ」といわれても笑って許してあげる人間力がつくかもしれない。東芝は研究インターンシップで大学の人材育成に協力している。産学連携だ。あの鐘を鳴らすのはあなた……それぞれの自覚が大切だ。-阿久悠が亡くなった。昭和が遠くなっていく。この文中に彼の作詞曲はいくつあるでしょう。答えは次号。

(登坂編集長)