2008年4月号
単発記事
野に咲く花を育て、大輪の花に!
-しがぎんニュービジネス支援ネットワーク「野の花応援団」-

山田 直士 Profile
(やまだ・ただし)

株式会社滋賀銀行 営業統轄部
ニュービジネスサポート室 調査役

滋賀銀行がニュービジネス支援、地域経済活性化を目的につくった産学官金のネットワーク組織が「野の花応援団」。コーディネート活動、金融支援、技術評価などを行っている。その仕組み、具体的活動を紹介する。

しがぎんニュービジネス支援ネットワーク「野の花応援団」を、平成14年6月に設立した。その目的は、「産・学・官・金(金融)」の連携を強化して、「次代を担うニュービジネス企業」を創出、支援の実効をあげて地域経済の活性化に一層貢献していくことである。

当行のニュービジネス支援の取り組みについて

当支援ネットワークを設立した当時は、デフレ経済の進行による景気低迷の長期化、産業の空洞化、雇用不安の増大など、非常に厳しい経済環境が続いていた。このような環境下、地域経済の活性化ならびに地域発展への貢献は、地域金融機関の使命であり、生きがいであると考え、さまざまな取り組みを展開してきた。

具体的には、平成9年11月には、近畿地区地方銀行に先駆け最大3,000万円まで無担保で融資する「ニュービジネスサポート資金」(通称「野の花資金」)の取り扱いを開始。翌平成10年4月には、旺盛な起業家精神を「産学官金」の連携で支援する「ニュービジネスフォーラム」を立ち上げ、さらに内容を充実させた「サタデー起業塾」を平成12年5月から8年連続で開催し、延べ受講生は、約1,000名を数えるに至っている。そして、これら一連の取り組みを発展的に強化し、地域経済活性化の実を一層確かなものとするべく、地域結集型の「しがぎんニュービジネス支援ネットワーク『野の花応援団』」を創設した。

「野の花応援団」の具体的活動について

有望なニュービジネスの市場への参加者としては、プレーヤーである産業界や研究開発の要としての大学、また、行政のバックアップによる支援体制、そして微力であるが金融によるサポートと多様なプレーヤーが存在している。このようなプレーヤーを1対1のサポートでなく、有機的なネットワークでステージに合ったサポートメニューを提供することが「野の花応援団」の活動である。

具体的な活動としては、次の5つがある。[1]コーディネート活動(産学・産官連携等のコーディネート)、[2]金融支援機能(投融資による資金調達の支援)、[3]「産学官金テクニカルアドバイザリーボード」機能(技術評価や目利き)、[4]株式公開支援機能(株式公開に向けたコンサルティングの実施)、[5]セミナーなどの開催(サタデー起業塾や株式公開セミナーの開催)。

特に、「産学官金テクニカルアドバイザリーボード」は、当行独自の仕組みである。アドバイザリーボードのメンバーの先生方による「技術目利き」により、取引先の技術力や開発力を専門的な見地から評価を頂き、大いにお客さまの"熟知"につながっている。

なお、「野の花応援団」の支援機関は、図1の通りとなっている。発足当時は、19支援機関でスタートしたが、当支援ネットワークの主旨にご賛同を頂き、さらに9支援機関が加わった結果、現在は、28支援機関でお客さまのサポートにあたっている。

図1

図1 「野の花応援団」各支援機関

活動実績について

「野の花応援団」のコーディネート活動は、トータルで221件となった(平成19年12月現在)。中でも、「産学連携」「産官連携」のコーディネート件数は、113件と全体の過半数を占めている。滋賀県という地域柄"ものづくり系企業"が多いこともあり、技術相談や共同研究のニーズが強いものと考えている。

また、最大3,000万円まで無担保で融資する「ニュービジネスサポート資金」の実行件数は、91件。当行グループで組成しているファンドからの出資企業は、41件となっている。

「今は名もない小さな花だけど、やがて大輪の花に!」という『野の花』(ニュービジネス)育成の願いを込めて、当行は、「野の花応援団」の皆さまとニュービジネスの創出・支援に今後も精一杯、取り組む所存である。