2008年5月号
単発記事
文部科学省の予算概要
地域イノベーションシステムの強化

文部科学省
科学技術・学術政策局
科学技術・学術戦略官付
(地域科学技術担当)


グローバル化・知識経済化に伴う国際競争の激化により、地域経済が厳しい状況に置かれています。そのような状況に対して、国際競争力・生産性向上の源泉となる科学技術を高度化・多様化し、いかにイノベーションを連鎖的に創出し、科学技術駆動型の地域経済の活性化を図っていくかが、ますます重要になってきています。

地域科学技術の振興は、革新技術・新産業の創出を通じた地域経済の活性化をはじめ、地域の活性化に大きな役割を果たすものであると同時に、地域の研究開発に関する資源やポテンシャルを活用して産学官連携の研究開発を行うことは、わが国の科学技術の高度化・多様化にも大きく資することが期待されています。

そのため、文部科学省と独立行政法人科学技術振興機構(JST)では、イノベーションを生み続ける地域の創出を目指し、「地域クラスターの育成」と「多様なシーズからの地域イノベーションの創出」の2つの観点から、地域の特性に応じたさまざまな地域科学技術振興施策を実施しています。

(1) 知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)(平成20 年度予算:16 億円)

地方自治体の主体性を重視し、知的創造の拠点たる大学等を核とし、関連研究機関、研究開発型企業等による国際的な競争力のある技術革新のための集積(知的クラスター)の創成を目指す事業です。

これまで18 地域において原則5 年間の事業を実施してきました。平成20 年度はうち3 地域が最終年度を迎えます(図1)。

(2) 知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)(平成20 年度予算:16 億円)

これまでの「知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)」の成果を踏まえ、地域の自立化を促進しつつ、経済産業省をはじめとする関係府省と連携して、「選択と集中」の視点に立ち、世界レベルのクラスター形成を強力に推進する事業です。平成19 年度から事業を開始し、6 地域を採択しました(図2

(3) 都市エリア産学官連携促進事業(平成20 年度予算:46 億円)

地域の個性発揮を重視して、大学等の「知恵」を活用して新技術シーズを生み出し、新規事業等の創出、研究開発型の地域産業の育成を図るとともに、自立的かつ継続的な産学官連携基盤の構築を目指す事業です。

「一般型」と「発展型」の2つの類型からなり、「発展型」は、「一般型」等の終了地域のうち、特に優れた成果を上げ、かつ、今後の発展が見込まれる地域において、継続的な新事業の創出等を目指します(図3)。

図1 知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)実施地域

図1 知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)実施地域



図2 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)実施地域

図2 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)実施地域



図3 都市エリア産学官連携促進事業実施地域

図3 都市エリア産学官連携促進事業実施地域

(4) 地域イノベーション創出総合支援事業(JST 事業)(平成20 年度予算:110 億円)

全国に展開しているJST イノベーションプラザおよびイノベーションサテライトを拠点として、関係機関との連携を図りつつ、シーズの発掘から実用化に向けた研究開発までを切れ目なく行うことにより、地域におけるイノベーションの創出を総合的に支援します。

本事業は、「重点地域研究開発推進プログラム」と「地域結集型研究開発プログラム」から構成され、各プログラムによってシームレスな研究開発支援と地域に密着したコーディネート活動を展開しています(図4

図4 重点地域研究開発推進プログラム

図4 重点地域研究開発推進プログラム