2008年11月号
巻頭言
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村井 嘉浩 Profile
(むらい・よしひろ)

宮城県知事




産学官連携で地域産業振興へ

宮城県内の産学官連携を説明する際に欠かせないものがあります。それは、平成15 年度から開始した「産学官連携ラウンドテーブル」です。東北大学、東北経済連合会、仙台市、宮城県のトップが、大学等の研究成果の産業化や産業振興の在り方などについて合意し、地域産業経済の成長に向けて産学官共同の取り組みを推進するものです。

これまでも、大学発ベンチャー企業育成ファンドの創設や自動車産業の振興、さらにはものづくり人材の育成などについて合意を形成し、地域が一丸となって進めております。

代表的な成果として、産学官の連携による地域企業の基盤技術高度化があります。公設試験研究機関である宮城県産業技術総合センター内に、企業からの技術相談にワンストップで対応する窓口を設置するとともに、地域企業のニーズに対応した支援や、学術研究機関、産業支援機関、金融機関などの支援メニューを有機的に結び付けるネットワーク(KC みやぎ推進ネットワーク)を組織しました。これによって技術相談から技術指導、事業化までの一貫した支援体制の構築を図っております。

私は、「生まれて良かった、育って良かった、住んで良かった」と思える宮城県を構築していくために、まずはしっかりとした経済基盤を築くことが最優先の課題であると考えています。本県の長期ビジョン「宮城の将来ビジョン」において「富県宮城の実現~県内総生産10 兆円への挑戦~」を掲げ、企業誘致に積極的に取り組んでいるところです。

幸いにも新たに半導体製造装置や自動車関連などの企業の立地が相次いで決定しております。これを契機として県内企業との取引創出・拡大を図っていくことを目指し、平成18 年5月に「みやぎ自動車産業振興協議会」を発足しました。11月には「みやぎ高度電子機械産業振興協議会」を産学官のプラットフォームとして設立します。

併せて、経済の発展には優れた人材の育成や確保が不可欠であることから、地域産業の中核的な人材の育成に向けて、産学官の人材育成関係機関等を構成員とする「みやぎ産業人材育成プラットフォーム」を平成19 年6月に設立しました。この組織は、人材育成の理念や方向性について協議・調整する場として、今後の具体的な人材育成プログラムを企画・検討しております。

このように宮城県では産学官連携によるさまざまな取り組みを進めていることが、企業へのサポートがしっかりしている地域として企業誘致におけるアピールポイントの1つとなっているものと自負しております。

平成28年度までに過去10 年間、8兆円台で推移してきた県内総生産を10 兆円以上にするという県民と共有の目標を掲げています。今後とも産学官が手を携えながら産業振興を図ってまいりたいと考えております。