2009年4月号
編集後記

米国の住宅バブルの破裂に端を発する経済不況は、まだ底が見えず、さらなる負のスパイラルを引き起こしつつあるようにも思える。その原因とされる資産担保証券やCDS等のリスク分散のための金融的手法は、それ自体が悪であるわけではない。ただ、個々の金融取引に大きな問題がなくても、ヘッジされたリスクがグローバルな金融市場のキャパシティーを越えてしまったことが問題であり、ある意味では、地球環境問題に似ているといえる。

今後、ミクロ金融工学を超えたマクロ金融工学が求められている。このような問題も、大学の英知と産業界・金融業界のノウハウを結び付け、産学連携で取り組むべきものではないかと考えている。

(編集委員・戸井 朗人)

日本の科学技術力のすごさを、どういえば一般の人にわかってもらえるだろうか。ここ半年、ずっと考えてきた。で、こういう質問が思い浮かんだ。「最近の10~15年で、これまでなかった画期的な新製品を挙げてください」。――プリウス 、2足歩行ロボット、エコキュート、省エネ家電、低消費電力の電車、高効率石炭火力タービン発電機、太陽電池、液晶パネル、発光ダイオード、デジカメ、プリンター、iPS 細胞、GPS、wwwウェブ・・・。最後を除き、すべて日本で生まれ育った技術(製品)だ。「水」でも逆浸透膜での大きな貢献がある。フロンティアを開拓するのはいまや日本だけ? 全世界が大不況の中、日本人はもっともっと自信を持ってよい。

(編集委員・松尾 義之)

この春、大学を卒業した弁茶花子さんと叔父の伊野部俊さんの会話――「政府、日本経団連、連合が雇用緊急対策で合意しましたね」「危機感がある。結束するのはいいことだ」「雇用調整助成金で雇用がある程度維持されるのは良かったです」「それに頼り過ぎると古い産業を温存してしまうことにならないかな」「大事なのは新しい産業を育てて働く場をつくり出すってことですか」「そう、君たちに頑張ってもらわなくちゃ」「でも、叔父さんたちが新産業を生み出す環境づくりや応援をしてくれないと」「やってきたよ」「ほんとですか?」「やってきたつもりだが」「じゃあ、なんで私たちの世代が・・・(泣き顔)」「いやいや、われわれも頑張るよ」「ほんとにしっかりしてくださいね。イチゴ大福をごちそうして!」

(編集長・登坂 和洋)