2009年12月号
特集2  - 酒造りで醸成する連携のこころ
自前の酒米で新潟大学ブランド大吟醸酒
顔写真

高橋 能彦 Profile
(たかはし・よしひこ)

新潟大学 農学部 教授



新潟大学は大学の圃場(ほじょう)で生産している酒米を利用し、大学60周年記念大吟醸酒「華甲」をつくった。華甲は61を意味する。

新潟は国内有数の良質米産地であると同時に、優良日本酒の製造地域である。当地に所在する新潟大学農学部附属フィールド科学教育研究センターは新潟市西区新通圃場(ほじょう)2ヘクタールで水稲コシヒカリを栽培し、主として学内教職員向けに販売してきた。3年前からは、この圃場で生産した酒米(写真1)を使った清酒も手掛けている。

写真1 酒米の田植

写真1 酒米の田植



写真2  新潟大学60周年記念大吟醸酒「華甲」

写真2  新潟大学60周年記
     念大吟醸酒「華甲」

大学オリジナル農産加工製品の開発は、原料の生産から加工までを体験できる教育効果があり、関連地域産業とも連携できる。また、こうした連携や、加工品販売を通じて地域に大学の活動をアピールすることもできると考えた。

清酒の醸造は以前から農学部の事業と連携している大学近くの塩川酒造株式会社にお願いした。平成18年冬に待望の新潟大学ブランドの純米吟醸酒「新雪物語」が世に出た。3年目の平成20年には今まで栽培してきた酒米「五百万石」に加えて大吟醸用酒米「越淡麗」を栽培。この度「越淡麗」を原料にした大学60周年記念大吟醸酒「華甲」(写真2)が誕生した。「華甲」の名称は公募により決めた。「華」を分解すると「十」が6つと1つの「一」になり「61」を表す。また「甲」は「甲子(きのえね)」の略で、干支の最初だ。

学生がデザインなどのアイデア
写真3  新宿高島屋で開催の「第2回・大学は美味しいフェア」での様子

写真3  新宿高島屋で開催の「第2回・大学は美
     味しいフェア」での様子

これらの酒米は栽培方法にもこだわり、種子消毒も温湯消毒、本田でも初中期除草剤を1回使用しただけでほかの農薬は一切使用していない。育苗から本田まで全量有機質肥料というこだわり抜いた栽培である。

どのような酒質にするか、また瓶ラベルや紙箱のデザインなども学生・大学院生がアイデアを出し、瓶詰作業等にも参加した。製造した2,000本は市内の酒店や新潟大学生協で販売している(1,750円/500ml)。新宿高島屋(第2回「大学は美味しい!!」フェア)でも高い評価を得た(写真3)。