2010年3月特別号
イベント・レポート
第2回 コーディネータネットワーク筑波会議
情報を共有できるコーディネータの存在

産学官連携ジャーナル2009年6月号では、産学官連携による内発型の産業振興の可能性を探って、「つくばの目覚め」と題して、茨城県、つくば市および地域の大学などの産学連携の取り組みを紹介した。これらは、第1回コーディネータネットワーク筑波会議(2008年12月3日)等でも注目されていたが、本年1月27日、第2回コーディネータネットワーク筑波会議で、その後の動きをフォローした。

前回に比較して相当に進んだ内容であったが、本稿では、特に元気な声を発信していた第3部の 『産学官・農商工連携で、筑波発信「チョウザメ・キャビア」を産業へ』にある地元民間からの2つの声をご紹介する。

株式会社フジキンの平岡氏は「ながれのことならお任せ」の企業ミッションの下、ワシントン条約の規制対象魚種となったチョウザメ資源を確保するために、つくばの西部工業団地でチョウザメ・キャビア養殖事業に挑戦している実態を紹介。本事業を産業として成長させるための課題として、中小企業が求める産学官連携の必要性を、その方策として、全国の研究諸機関に対するアクセスの分かりやすさとフォーカルポイントに対する具体的なコンタクトの支援を訴えられた。その中で、最近、つくば地域において顕在化しつつある、[1]情報を共有できるコーディネータの存在 [2]農商工連携や「にっぽんe物産市」などを通した地域間連携のネットワークの有効性、を指摘された。

つくば未来経営コンサルティング事務所の横田氏は、農商工連携によるつくばでの産業事例の経験を基に、地域の活性化、人の活性化を推進すべく、首都圏の巨大マーケットを対象に、つくば地域において諸研究機関、大学、農業、商工業からなる連携体を組成し、それを持続させることにより将来のつくば発の新産業を形成したい旨決意を表明された。

いずれも、地元民間からの生の声であり、今後の内発的な振興が注目される。

(藤井 堅:東京農工大学大学院 技術経営研究科 非常勤講師)

【主な開催プログラム】
第1部:つくば市の民間企業からみた独法研究機関等との産学官連携

「つくば市の民間企業に対するアンケート結果のご紹介」農林水産省
  奈良百合子氏

第2部:産学官連携に関する海外の先進事例、日本の現状および筑波変革への提案

「企画紹介および海外の産学官連携の先進事例から学ぶ“公的研究セクターのイノベーション・モデル”」
  (財)日本産業技術振興協会 大沢吉直氏

「米国産学共同研究センターの活動と日本・つくばへの示唆」
  (株)富士通総研 西尾好司氏

「フランス・グルノーブル地域の産学連携と地方自治体の役割」
  (独)産業技術総合研究所 小笠原敦氏

「日本の産学連携の現状」
  経済産業省 谷明人氏

「 日本の大学等における産学連携の実態と意識動向」
  文部科学省 長野裕子氏

「 日本の大学等における産学連携の実態と意識動向」
  文部科学省 長野裕子氏

第3部:産学官・農商工連携で、筑波発信「チョウザメ・キャビア」を産業へ
 

「西部工業団地にあるバルブ機器メーカー、(株)フジキンが取り組むチョウザメ・キャビア養殖産業への挑戦」
  (株)フジキン 平岡潔氏

「農商工連携で起こる産業事例とつくばでの可能性」
  つくば未来経営コンサルティング事務所 横田透氏

第2回コーディネータネットワーク筑波会議
日時:2010年1月27日(水)
会場:農林ホール(茨城県・つくば市)
主催:筑波研究学園都市交流協議会