2010年3月特別号
イベント・レポート
ソーシャルビジネス・メッセ
初の全国規模の見本市

高齢者・障害者の介護、共働き支援、青少年・生涯教育、まちづくり、地域起こしなどさまざまな社会的課題の解決に、ボランティア主体ではなく、ビジネスとして取り組む活動が注目されている。「ソーシャルビジネス」と呼ばれ、新たな産業・雇用の創出、地域活性化の重要な担い手になると期待されている。

3月4日、東京・原宿のイベントホール「ベルサール原宿」でソーシャルビジネスの日本初の全国規模見本市「ソーシャルビジネス・メッセ」が開かれた。各地から日本を代表する約70の事業者と15余りの地域協議会・自治体などが集い、ステージやブースでのPR、情報交換を行った。「第2回ソーシャルビジネス全国フォーラム」という位置付けだが、第1回の同フォーラムは勉強会だけで、第2回の今回、見本市形式にした。主催はソーシャルビジネス推進イニシアティブ *1と経済産業省。同省は2007年度から本格的にその振興を進めている。

交流の成果を活動に生かす

出展した事業者は以下のように多岐にわたる。いくつか紹介する。

【子育て支援・女性支援など】
看護職による妊産期支援の有限会社キュアリンクケア

【中間支援組織など】
創業ノウハウから先進事例、経営のポイントまで学べるNPO法人ひらかた市民活動支援センター
北海道産品に付加価値を付けて地域活性化を目指す起業家を支援するNPO法人旭川NPOサポートセンター

【地域資源の活用など】
閉校した小学校校舎を活用して地域活性化を進める鮎の風実行委員会

【豊かな食事など】
在来品種「姫とうがらし」の加工食品のNPO法人てっちりこ

【環境保全・エコツアーなど】
錦江湾奥の環境保全を進めるNPO法人くすの木自然館

【福祉・海外の問題解決など】
健康教室・介護予防運動教室のNPO法人コーチズ
フェアトレード商品のフェアトレードカンパニー株式会社

NEC、資生堂、オリンパス、東京ガスなどの大手企業や、京都産業、立教、法政、明治学院の各大学なども出展した。

「多くの人を知り、ほかの団体・事業者のノウハウも学ぶことができ、自分たちの活動に生かせる」と出展者、参加者には好評だった。

ただ、地域のソーシャルビジネス事情については、「国、自治体の財政難から助成が少なくなり、新たに事業を起こすのが難しくなっている」という声が多かった。支援組織は「事業者からの相談で多いのは資金についてのもの」と語る。本格的なビジネスと呼べるものはまだ一握りだが、こうした催しを通じて事業者の経営力が高まり、ソーシャルビジネスの社会的認知度が向上することを期待したい。

(本誌編集長:登坂 和洋)

*1
ソーシャルビジネス関係者が協力して行う全国規模での活動等の在り方の検討・提言を行う場として平成20年度に設立。ソーシャルビジネス事業者、学識者、企業、金融機関、中間支援機関、経済団体、関係府省で構成されている。

ソーシャルビジネス・メッセ
第2回ソーシャルビジネス全国フォーラム
日時:2010年3月4日(木)13:30~17:00
会場:ベルサール原宿(東京都・渋谷区)
主催:ソーシャルビジネス推進イニシアティブ
            経済産業省