2010年10月号
巻頭言
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井戸 敏三 Profile
(いど・としぞう)

兵庫県知事




産業立県兵庫の実現をめざして

グローバル化の進展や国際競争の激化、本格的な人口減少社会の到来など、社会経済情勢が大きく変化しています。兵庫県は、こうした変化を踏まえながら、成長産業の育成と基幹産業の競争力強化をめざし、各般の取り組みを積極的に推進しています。

1つは、科学技術基盤を活用した次世代成長産業の創出・育成です。本県には、大型放射光施設SPring-8や、現在整備中のX線自由電子レーザー、次世代スーパーコンピュータ(京速コンピュータ「京」)など、世界最先端の科学技術基盤が存在します。これらの先端技術基盤を企業の事業化につなげるため、SPring-8に県専用ビームラインを整備し企業の研究開発支援を行っているほか、次世代スパコンの整備に合わせて「高度計算科学研究支援センター(仮称)」を設置し、産業利用を促進します。

2つには、戦略的な企業誘致の推進です。産業集積条例による立地支援制度や交通インフラの充実等により、本県の立地企業件数は、ここ数年全国上位で推移しています。また、神戸医療産業都市への産業集積やリチウムイオン電池、太陽電池等の生産施設の立地が進み、企業集積の相乗効果を上げています。

3つには、兵庫の強みであるものづくり産業の競争力強化です。県内には、日本経済を支える基幹産業から地場産業に至るまで、厚みを持ったものづくり産業が集積しています。これらの企業が市場環境の変化に適応し、競争力を強化できるよう、人材育成や新技術開発、販路開拓など総合的な支援を行っています。今後、工業技術センターの機能強化やものづくり大学校(仮称)の整備等により、取り組みをさらに強化していきます。

4つには、革新に挑戦する中小企業の創出です。本県経済のさらなる飛躍のためには、中小企業の経営革新と新たな成長の担い手となるベンチャー企業の創出・育成が不可欠です。このため、26の支援機関で構成する「中小企業支援ネットひょうご」において、経営戦略や技術開発等に関する支援をワンストップで提供するほか、ファンドの組成によりアーリーステージにあるベンチャー企業等へ資金支援を行っています。

いまだ厳しい経済・雇用情勢が続いています。このような時期こそ、新たな飛躍に向けて基礎を固め、将来への投資を進めていくときです。引き続き、地域の資源と力を結集し、「産業立県兵庫」の実現に全力を尽くします。