2010年12月号
特集2  - 第2回イノベーションコーディネータ表彰
功労者賞 柴田義文氏
コーディネータを核に総合力を発揮
顔写真

柴田 義文 Profile
(しばた・よしふみ)

静岡技術移転合同会社
代表社員


●受賞理由
浜松地域の産業活性化のため、産業クラスターや知的クラスターの事業運営の中心的存在として活躍。まさに連続的な地域イノベーション創出の活動に多大な貢献をした。

私は地元大学を1957年に卒業し、当時従業員80名の中小企業に就職した。従業員の大半は中卒者だったので、昼休みを利用して切削について講義することを試みた。講義内容の3倍ほど勉強したので自分自身の勉強にもなった。また、浜松機械工業会(若手経営者の集り)に入会し諸先輩からいろいろなことを教わり、自分の仕事にも取り入れることができた。浜松経済クラブ(異業種交流の団体)にも参加し、人脈も広がった。

その後、活動の原点になったのは海外視察だった。1964年に米国視察団に参加して30日間各地の工場を見学し、日本との格差を知り、1968年には40日間の欧州研修団に参加して先進国の技術の高さを認識した。見聞を広めたことは自信にもつながった。日本機械学会、精機学会にも入会して20年間レベルアップに務めた。県工業技術センター内に機械研究会を設立し、32年間副会長を務め人材育成や新技術の普及を進めた。異業種交流から“異業種の集まる工業団地”の計画が浮上し、1年間の検討を経て、協同組合テクノランド細江を1986年に設立した。当初の理想は完全には実現されなかったが、全国で初めての異業種団地が今も運営されている。

静岡大学地域共同研究センターが設立されたときは、産学共同研究推進の場を設けた。2002年には静岡TLOを設立し、承認を受けた。各種の国の大型プロジェクトを当地で展開し、一部続行中だ。

問われる真価

表1 コーディネータに向いている人

人好き、世話好き、お節介好き
創造性の強い人(常に新しいものを導入する)
問題意識を持てる人(現状では満足できない)
目的達成に強い情熱を持ち、一生懸命無我夢中で推進する人
勘の良い人(最後は勘で決める)
何でもいいけど、他人に負けないものを持っている人
人間的に広いネットワークを持っている人
数字に強い人(数字で判断する)
負けず嫌いな人
がけっぷちに立った経験、挫折を味わった人
知恵を出し実現できる人
情報を手早く成果にできる人
運の良い人

これからは地域の総合力を発揮し、実績を上げていかなければならない。それにはどうしてもコーディネータが不可欠である。50年間の経験から、どのようなタイプの人がコーディネータとして適当か考えてみた(表1)。

産学官連携のさまざまな取り組みは、コーディネータのマネジメント力が成果を大きく左右する。現在、当地域で登録されている65名のコーディネータの真価が問われている。